みなさまこんにちは、40代後半になりましたバイヤーのndcです。
この記事はオーバーサイズの服に抵抗がある方なら、40代以外にもぜひ読んで頂きたいです。
いわゆるビッグシルエットという言葉が出てきて流行り始めたのは2015年頃です。その流れはブランド側も長く続かないと思っていました。しかし2020年になってもその勢いは増すばかりで、その地位は確固たるものになりました。
ディオールオムなどのスキニーと言われるスタイルが流行ったことを経験している私達には少し驚きましたよね。
トレンドは10年で切り替わると言われています。そしてちょうど10年が経とうとしており、ビッグシルエットは成熟期になっていると言えます。
ではこの後また細いシルエットにもどるの? と言われるとそれはNOだと思います。
恐らく少しずつですが、ビッグシルエットは縮小していくでしょう。
ですがこの後も長く残るのはオーバーサイズ。ちょいゆるだったり、ビッグシルエットまではいかずとも極端に肩が落ちていないシルエットなどはこれからもトレンドの中心となるでしょう。
今は誰もが受け入れている成熟期だからこそ、オーバーサイズは取り入れるべきです。
40代でもオーバーサイズは挑戦できる?
実は40代はアパレル業界の人以外はビッグシルエットに抵抗がある人が多かったです。しかし40代は体型が変わる年代でもあります。お腹周りが気になるのに細身のトップスを着てお腹が出ているのが丸分かりはかっこ悪いですよね?
ですがここ数年は40代でもオーバーサイズを着る人が急激に増えてきました。これは長くビッグシルエットのトレンドが続いて、感覚的に許容できる人が増えてきた為だと思われます。
なのでぜひ今からでもオーバーサイズは年代問わず挑戦して欲しいです。
オーバーサイズの着こなしの悩み
足が短く見える
オーバーサイズを着こなすときによく聞くのがこの問題。身長でそう感じる人もいるでしょう。まず身長が低い人は着丈に気を使うのが重要です。 今は横幅がゆったりしていて着丈が短い服が数多く出ています。普通のトップスやTシャツであれば着丈72cm以下を選ぶと良いでしょう。
上半身だけが大きく見える
これも上記と同じ理由で着丈が深く関わってきます。それと肩幅があまりにドロップショルダーなものは避けるとアンバランスさは解消されます。
上をゆるめ、下にスキニーを合わせることを薦めるサイトもありますが、私は薦めません。スキニー自体がもう今のトレンドと合っていないので、極端にピッタリのパンツを合わせるのは好ましくありません。上記写真のような細身でもウエストがゴムで穿きやすく、テーパードになっていて着心地も良いものが着る方もストレスがなくオススメです。
オーバーサイズを取り入れる6つのメリット
メリット①リラックス感がある
オーバーサイズを着こなすときに一番大切なのはバランスと清潔感。
だらしなく見えてしまうのはNG。
メリット②ストレスフリーな着心地
締めつけが無く自宅のリラックスウェアのように着られるオーバーサイズは着心地が楽な点が◎ 結局長く着続ける服は楽な服なんです。 着ていて辛い服は数回で着なくなるなんてことはよくありますよね?
メリット③体型カバーができる
40代になると色々と体型が変わってきます。。私も細身だったのが普通体型になってしまいました(笑) 久しぶりに知人に会うと「雰囲気変わりましたね」と言われて、オブラートに包んでいますが、ようは太りましたね?と言うことですからね。前置きが長くなりましたが、気になるお腹周りなんかも隠せるメリットは大きいです。
メリット④トレンド感がある
2015年頃から始まったビッグシルエットの流れ。ビッグまでいかなくてもオーバーサイズぐらいならちょうどよくトレンド感を演出できます。
メリット⑤優しい雰囲気が出る
これはシルエットでそういう雰囲気が出ますが、色目も大切です。上下黒ですとちょっとイカつい雰囲気になります。それはそれでかっこいいのですが、もう少し柔らかい印象を与えたいのなら、ホワイト・ベージュ系や上の写真にあるようなグレージュやアイスブルーなどの色を合わせると良いと思います。
メリット⑥女性ウケを狙える
今はオーバーサイズの方が女子にウケます!大切なのは上下のバランスと清潔感。上は清潔感のある少しオーバーサイズ気味のTシャツ。下はテーパードスリムシルエットのキレイ目な素材を。そしてスニーカーはハズシで明るめの色をチョイス。こんな感じなら絶対女子ウケします。
脱おじさん!NGポイントと失敗しないポイント
3つのNGポイント
この写真はNGではなくむしろブランドのお洒落なルック写真です。ですが着る人によっては着せられているように見えてしまうため上級者向けのビッグシルエットと言えるでしょう(私はこういうの大好きです、笑)
ポイント①洋服に着せられている
いつも買っている服を2サイズアップぐらいで・・と安易に考えてしまうとこの罠にハマります。普段のサイズより大きいサイズを買うのは間違い。今のトレンドに合ったサイジングで作られた服を選ぶことです。
例えば私がイチオシしているKelen(ケレン)というブランド。こちらはちょうどよくオーバーサイズに設定されたトレンドを上手に取り入れつつもシンプルで着やすいブランドです。こういったブランドなら普段買っている普通のシルエットのブランドがMサイズなら、このブランドでもMサイズでOKです。Sでも問題ないぐらいです。そういう感じで服選びをすると良いでしょう。
ポイント②同色で統一している
同色での統一はお洒落な雰囲気を出しやすいです。しかし一歩間違えるとゆったりめが災いしてパジャマのような見た目に。基本的には上下の色は変え、同素材のセットアップとしてリリースされているものだけに留めましょう。
ポイント③ダボダボでだらしない印象を与える
上下がゆるめだとだらしない見た目になる可能性があります。上下ともゆったりめにしたいならちょいゆるぐらいにしておくのが◎ またゆるめとすっきりめの上下で合わせるのも良いでしょう。AラインまたはYラインは良い印象を与えやすいです。
失敗しない5つのポイント
ポイント① シルエットのバランス
お洒落な印象を作りやすいシルエットには、基本となる3つのシルエットがあります。
・Iラインシルエット
・Aラインシルエット
・Yラインシルエット
ポイント② カジュアルとキレイめのバランス
「きれいめとカジュアルのバランス」が大切です。キレイめ:カジュアル=7:3にすると好バランスにまとまります。キレイめに全振りするとモードっぽくなりすぎてしまうし、カジュアルに全振りするとだらしない感じになってしまいます。例えばスラックスで合わせるならスニーカーで外すとか、キレイめなシャツをデニムで外すなど、バランスを考えてみてください。それを意識するだけで服装が変わってくるはずです。
ポイント③ サイズのバランス
サイズのバランスも重要な要素です。オススメは以下3つのシルエットです。
ポイント④ Iシルエット
上下とも同じゆるさのシルエットをIシルエットと言います。上下スリムもIシルエットですね。ゆるさでIシルエットをするのは少し難易度が高いです。ですがちょいゆると上の着丈の長さだけ気にすればここまで読んできた読者様なら着こなせると思います。
ポイント⑤ Aシルエット
上をスッキリめに、下をワイドパンツにしたのがAシルエットです。ただ昨今は上も少しゆるめが良いと思いますので、このTシャツよりももう少し身幅が広くて良いと思います。着丈さえ気にしていれば問題ありません。
ポイント⑥ Yシルエット
一番着こなしやすいのがYシルエット。これは上をゆるめで下をスッキリめにするコーディネートです。特に秋冬は上に着るモノが多くなるので必然的にこの着こなしになってくると思います。上をオーバーサイズにしてパンツをスッキリめにするこの会わせ方は見た目的にも一番お洒落にみえやすいです。
おしゃれに決まる!オーバーサイズの着こなしのコツ3パターン
着こなし①スリムパンツでメリハリをつける
一番基本的となる着こなしです。上をオーバーサイズにして下を細めにします。スキニーまでいくとやりすぎ感が出るのでテーパードしているスリムパンツが一番美脚に見えてオススメです。
着こなし②ボトムスはあえてワイドパンツで合わせる
こちらは少し着こなし上級者です。上をすっきり目にするのでお腹が出てなく、体型に自身がある人にオススメです。
着こなし③足元をボリュームアップさせる
オーバーサイズとは少し違う解釈ですが、ボリュームのある靴やブーツ、ハイテクスニーカーなどを合わせます。この写真はパリコレを見に行ったときに撮影した私自身ですが、ナイキのハイカットのハイテクスニーカーをワイドパンツで合わせていました。
オーバーサイズの選び方
サイズを大きくすれば良い訳ではない
これはよくある失敗する例ですが、いつも着ている服より大きいサイズを買えばいいはNGです。その服はちょうどよく着るために設計されているので、大きいサイズにしたらサイズが合っていない感が出てしまいます。もともとゆるめのシルエットをウリにしているブランドの服をいつも買っているサイズと同じか一つ下のサイズを買うのが正解です。
まずは無地のタイプを選ぶといい
いきなり上下柄とかはかなり上級者なので、まずは無地が無難。柄にもトレンドや自分が良いと思って買った柄が回りからみたらダサいなんてよくある話です。無地なら絶対に外さないので、まずは無地からチャンレンジしてみましょう。
【スタイリスト監修】季節別オーバーサイズの着こなし紹介
スタイリスト監修のオーバーサイズの着こなしを紹介します(写真はVarde77の2022年コレクション)
春のオーバーサイズの着こなし
ジャケットは裏地なしで通年着られるミリタリージャケットやノーカラージャケットなどがおすすめ。シャツ1枚はダサくなる可能性があるので、しっかりとしたジャケットが良いと思います。カーキなどはミリタリー色が強く出るため、ブラックやネイビーなどが無難です。
夏のオーバーサイズの着こなし
夏はTシャツとパンツになりがちです。回りみんながほぼそうなるので、違いを出すなら半袖シャツがオススメ。それだけでグンっと回りよりもお洒落度が上がります。少し緩めのシルエットで裾が絞れる機能などがあると着丈の調整ができてさらに◎ このブランドは先ほど紹介したKelenですが、オススメのブランドです。
秋のオーバーサイズの着こなし
秋は少し着丈が長めのオーバーコートもあり。その場合ボトムスはすっきりめにしましょう。このVarde77のミリタリーロングジャケットはまさに40代が着たいジャケットとして作られています。
冬のオーバーサイズの着こなし
丈の短めスタジャンやミリタリージャケットをスッキリめのパンツで合わせるのがオススメ。レザージャケットは少しクセが強すぎるので、袖だけレザーでしたら男らしさをアピールしながらお洒落な雰囲気を出せます。 スタジャンはこちら
今トレンドのオーバーサイズアイテムを「バーズアイ」が紹介
最後に私が運営しているメンズセレクトショップVDS BIRDS EYEから私が選りすぐって取り扱っているゆるめのシルエットのブランドを紹介します。
Kelen ケレン
記事内で何度か紹介していたKelen(ケレン)。今らしいゆるめのシルエットとオーセンティックでシンプルで合わせやすいデザイン。そして春夏秋冬としっかりコンセプトを作って打ち出していて型数も多いので、欲しいアイテムが見つけやすいです! ぜひオーバーサイズを探している方はこのブランドをチェックしてみてください。
VOIRY ヴォイリー
サンデーパンツという全国で爆発的な人気を誇り蔦屋などでも定期的にポップアップショップをやっているVOIRY(ヴォイリー)。このちょっとゆるめで丈がくるぶしぐらいがすっきりと穿けてお洒落で男女ともに人気のブランドです。こんな感じで革靴で外しても良いですね。元々中目黒のエプロン屋・古着屋としてスタートした異色の経歴を持っています。他にもゆるめのトップスもあり価格も安いので、ぜひチェックしてみてください。
GOAT ゴート
無地Tシャツブランドとして世に出たGOATは日本の有名デザイナーが監修しており、着丈が長くなく、身幅にゆとりがある今らしいシルエットになっています。価格も無地Tシャツで3300円とリーズナブル。パーカーやスウェットパンツなど一通りのデザインが揃っておりオススメです。
NOPE ノープ
NOPEはTシャツブランドです。身幅が広く、着丈は抑えめにしており、フォントTシャツメインのブランドです。
前後ろどちらでも着られるドッキングTシャツが特徴で、1枚で2度おいしいTシャツです。
まとめ
冒頭でも書きましたが、ずっと拒否していた40代のオーバーサイズファッションがここ1年で急にゆったりめファッションになってきています。
拒否反応が多かったのに急に受け入れられているのは、ビッグシルエットの流れが10年近く続いたことです。若者だけの流れではなく30代もほぼオーバーサイズファッションなのと、自分が着てもオーバーサイズとかかっこ悪い・似合わないと思っていて手を出さなかった40代の人が、着てみたら「意外といいじゃん」となっていることが挙げられます。特に低身長の人が意外と似合うと言った意見が多く、身長や体型に関係なくオーバーサイズを上手に取り入れて欲しいなと思い、細かく分かりやすい記事にいたしました。
筆者はアパレル業界に25年以上おり、40代後半になりました。現在もVDS BIRDS EYEというショップのバイヤー兼経営者として日々バイイングやブランドプロデュースをしており、こう言ったコラムは定期的に書いております。ぜひカテゴリーのコラムから他の記事もご覧になってください。コラム一覧はこちら
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